kobayashisan.net の確定申告

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​1 海外不動産譲渡の申告

2 ストックオプション等の株式関連報酬の申告

3 国外を含む、有価証券の譲渡・利子・配当の申告 

 

No.1

​海外不動産の譲渡

 ハワイに所有していたコンドミニアムを売りました。譲渡所得の申告の仕方を教えてください。他に、農業と不動産賃貸と雑所得が有りますが、譲渡所得とは別に申告書を作りますか。

✍ ご回答

1 所得税申告の仕方

 不動産の譲渡所得もその年分の所得税申告書に一緒に記載して、譲渡所得の税額を算出し、他の所得の税額と合算するようになっています。農業・不動産・雑所得等の総合課税所得や所得控除などは、いつものように申告書第一表・第二表に記載し、申告書第三表(分離課税用)という申告書の様式をこの年分だけ付け加えて、その第三表の所定の欄に譲渡所得を記入します。このため、不動産の譲渡所得は「分離の譲渡所得」と呼ばれます。

 

 総合課税所得の税率は、所得が増えるにつれて上がる累進課税ですが、分離の譲渡所得の税率は定率になっています。分離長期譲渡( 譲渡した年の1月1日現在で 所有期間が5年を超える譲渡 )は国税15.315%( 0.315%は復興特別所得税分 )・地方税 5%、短期譲渡は国税 30.63%・地方税 9%です。申告書第三表を使用する際には、総合課税所得の税額計算も併せて第三表に記載するようになっており、合計された税額が第一表に転記され、その後最終納付( 還付 )税額までが第一表に記載されます。

2 不動産の譲渡所得 

 コンドミニアムは分譲マンションのことで、ハワイでの投資用不動産として一般的です。米国不動産に限らず、不動産の譲渡所得の計算要素は三つあります。 譲渡収入・取得費・譲渡費用です。 譲渡所得はこの三つの要素により、譲渡収入 ― ( 取得費 + 譲渡費用 ) で計算されます。 所有している間にかかる固定資産税等の維持費用は、賃貸していれば不動産所得の経費になりますが、譲渡所得の経費にはなりません。また、レジャーのために所有していた場合の維持費用は、家事費( 生活費 )とされ、税務上の経費とすることはできません。

  (1) 譲渡収入となるもの

  ① 売却価格( Sales Price )

    譲渡収入となる項目はまず売却価格です。日本円への換算レートは、原則的に TTM( 仲値 )

          ですが、売却して即日本円としている場合は TTB ( 売り相場 )としてよいとされています( 所

          得基本通達57の3-2 )。TTB の方が TTMより有利になります。

    ② 固定資産税譲受者負担分( Prorata Real Estate Tax )

             1年分の税額の譲渡後の期間按分額を精算時に受領しますが、日本では譲渡収入に加算すべきと

          されます。エスクロー ( Escrow:代金決済代行業者 ) の代金決済精算書( Closing Statement)

          に記載された明細に基づいて収入に加算します。

  (2) 取得費となるもの

    ① 購入価格

      購入時の契約書( Contract )等及びエスクローの精算書の記載内容に従って取得費となるもの

          を集計します。購入価格が取得費の主なものになります。日本円をドルに換えて即、支払ってい

   るには為替換算は TTS (売り相場)とすることができます。

      建物は取得時から譲渡時までの減価償却を行い、未償却残高を取得費として計上します。賃貸し

   ていた場合は、毎年の償却費は不動産所得の経費になります。

       ②  固定資産税譲受者負担分  取得の際には取得費に加算します。

       ③  仲介手数料( Broker's Commission )

       ④  エスクロー手数料( Escrow Fee )

       ⑤  権限保険料( Title Insurance )  権限の瑕疵による損害についての保険料。

       ⑥  登記料( Recording Fee )

       ⑦  その他  取得費とできるか日本の場合を参考にして検討します。

  (3) 譲渡費用となるもの

       ① 仲介手数料  

              譲渡費用も支払い項目ですから為替換算は TTS ( 売り相場 )とすることができます。

     ② エスクロー手数料

       ③ その他  譲渡に直接要した費用かどうかの検討をします。

 以上の内容を「譲渡所得の内訳書」( 申告書の付表計算明細書 )に記載した後、申告書第三表に転記します。

3 その他の留意点

 ① 米国での申告

          エスクローの清算書に記載され、譲渡代金から充当される米国連邦とハワイの源泉所得税

      ( FIRPTA,  HARPTA  Withholding )は、譲渡収入にそのまま税率を乗じて算出しているため、

      所得に比し過大となっており、米国の所得税申告を行って還付を受けることが可能です。

   ② 日本での外国税額控除

          譲渡した年分、及び米国で申告した年分で、日本での申告を行い、申告書の添付書類となる「外

  国税額控除に関する明細書」に必要事項を記入し、外国税額控除額を算出し申告書に転記します。

 

 以上が譲渡所得申告手順になります。なかなか、ご自分で片づけるのは大変なことです。当方にご依頼される場合、外国語書面が英文であることを条件に、海外不動産譲渡所得の算出報酬を3万円とし、他の所得が給与・年金・簡易な不動産所得等で、控除関係も特に手間のかかるものでなければ、申告報酬 は 5万円にて請け負わせて頂きます。貸付件数の多い不動産所得・事業事業所得等についても、内容により加算、請け負わせて頂きますのでご相談下さい。

                                      2020.10.20 yxiaolin117@gmail.com 090-6075-2437  税理士 小林禧継

No.2

ストックオプション等の株式関連報酬

 外資系の会社で仕事をしています。会社の業績が上がって株価が上がると、給与とは別に、米国の親会社からストックオプション等の報酬を受けています。この報酬にも数種類あって、それぞれどう申告すれば良いのかわかりません。

 

✍ ご回答

 税制非適格ストックオプションは権利行使時に給与所得になるという扱いが確定してから、RSUなど別種の株式関連報酬も現れてきて、関連の税務が複雑になってきました。以下、主な株式関連報酬について申告の仕方を記載します。

1 ストックオプション( Stock Option )

  株式を決められた価格で買い受ける新株予約権を会社から賦与されて、株価がその価格より上昇し

   時に権利行使(Exercise)をすると、行使者は差額について利益を得るというしくみになっています。

   権利行使時に課税されない 税制適格ストックオプションは、日本の法令に準拠した会社から発行され

   る、措置法の定める条件に合致したものに限られ、外国法人発行のものは該当しません。税制非適格の

   場合、行使による差額の利益は給与所得として課税されます。

 (1) 申告の仕方

    米国の親会社は通常、関与証券会社に関係社員の株式関連報酬の管理を委託していますので、証券

   会社から送られてくる顧客口座明細書に、新株予約権・権利行使関係の明細が記載されています。一

   般にストックオプションの権利行使をしますと、約定により証券会社が株式を売却し、代金をその株

   式取得払込金額に充当し、手数料を引いた後の残額を顧客の口座に残します。

    通常の給与は、勤務する日本の会社から受け取る源泉徴収票に表記されていますが、ストックオプ

        ションの権利行使による利益は含まれていませんので、確定申告書の給与欄に、源泉徴収票記載の金

        額とは別に記入して自分で申告することになります。新株を取得して即売却している場合は、譲渡所

   得は発生していないので、譲渡欄の記入は不要になりますが、厳密に考えますと、証券会社に支払っ

   た譲渡手数料が譲渡費用になりますので、少額の株式譲渡損が生じていると言えます。

   為替レートは、国税庁通達57の3-2によりTTM(仲値)を使用します。

   なお、証券会社の取引明細書には、他の預かり株式の配当の入金も表示されていることがあります          ので、その場合には、配当所得の申告も同時に必要となります。

 (2) 税制適格ストックオプションの場合

           権利行使時に給与課税されない税制適格ストックオプションの場合は、権利行使後の株式譲渡の年

   分で、払込金額と譲渡代金との差額を株式譲渡所得として申告することになります。分離の定率課税

   ( 国税15.315%、地方税 5%)ですから、総合課税による累進課税を受けずに済む利点があります。

 

2 RSU( Restricted Stock Unit : リステリクテッド ストック ユニット )

       譲渡制限付株式ユニットと訳され、譲渡制限のある株式ユニットが勤務開始時や数年目の節目などで

 与えられ(Granted)、後に所定の条件が満たされると、譲渡制限が解除され、譲渡可能株式となり

 す(Vested)。譲渡可能となった時点で、株式の時価が給与所得として課税されます。

 (1)  申告の仕方

     関与証券会社からの株式関連報酬の明細書上の、譲渡制限解除の情報を基に申告できます。確定申

    告書の給与欄に、源泉徴収票の金額と併せて記載して自分で申告することになります。取得した株式

    を譲渡した際には、給与で課税された時の株式時価を取得費とし、株式譲渡所得として申告します。

 (2)  RS( Restricted Stock  : リステリクテッド ストック )

        Grant 時に譲渡制限付株式が与えられる場合ですが、課税の時期はやはり、譲渡制限解除の時と

         なります。申告の仕方は RSUと同様です。

 

3 SAR( Stock Appreciation Right : ストック アプリーシエイション ライト )

       株式評価益権と訳せます。権利を賦与する時に、自社の株式の株数と基準となる株価を決め、一定

 間後の株価が、基準となる株価を超えている場合に、その差額相当の現金又は株式を受け取ることがで

 きる度です。実際は現金支給が一般のようです。現金又は株式の支給を受けた時に給与として課税さ

 れます。

       申告の仕方

       関与証券会社からの株式関連報酬の明細書上の情報、及び現金支給の明細を基に申告できます。確

    告書の給与欄に、源泉徴収票の金額と併せて記載して自分で申告することになります。株式で報酬を

    受けた場合は、株式の時価を給与とします。その後の株式譲渡については、上記2(1) RSUで取得した

    株式を譲渡した場合と同様になります。

 

   以上、主なものについて記載しました。米国の会社からのものは、関係書面が全て英文で記載さてい

るため、理解に苦労されることがあるかもしれません。

 当方に申告をご依頼なさるのでしたら、基準報酬を 3万円とし、内容により増減の報酬にて承りますので、ご相談下さい。

                                         2020.10.20 yxiaolin117@gmail.com 090-6075-2437  税理士 小林禧継

No.3

国外を含む、有価証券の譲渡・利子・配当

 預金の利息が良くないので、証券会社から勧めら

れる株や社債、投資信託などの金融商品に投資しています。譲渡した時や利息・配当の課税の仕組みが複雑で良くわかりません。

 海外市場での譲渡や、海外からの利子・配当の扱いも教えてください。

 

✍ ご回答

​ 有価証券関係の税制は、上場株式等の範囲が拡大されて一層複雑になりました。以下、譲渡・配当・利子に分けて概要を書いてみます。

1 譲渡

   「上場株式等に係る譲渡」と「一般株式等の譲渡」の 2種類に分かれ、平成28年からその 2種類の間

 損益通算はできないこととなりました。

 (1) 「上場株式等に係る譲渡」

    「上場株式等に係る譲渡」所得は国税 15.315%、住民税 5%の分離課税で課税され、特定口座の源泉

    徴収有を選択しますと源泉で納税が済みます。年間合計して譲渡損失が生じた時は、上場株式等の配

         当等との通算ができ(特定口座内で可能)、通算しきれない譲渡損失は申告することによって、3年繰

    越すことができます。

           「上場株式等に係る譲渡」の損失の繰越しは、金融商品取引業者または登録金融機関への譲渡など

      限られ、国外の金融機関が直接仲介する譲渡の損失は繰越すことができません。

   (2) 「一般株式等の譲渡」

   税率は上場株式等の譲渡と同じですが、損失は上場株式等の譲渡・配当等と通算できず、繰越しもで

       きません。

2 配当

   「上場株式等の配当等」と上場株式等以外の配当の 2種類に分かれます。

 (1)  「上場株式等の配当等」

   「上場株式等の配当等」には、外国金融商品市場で上場されている株式の、国外から直接受領した配

       当も含まれますが、国内の所得税等の源泉徴収がされていないため申告が必要となります。

   国内の「上場株式等の配当等」は、国税 15.315%、住民税 5%の源泉徴収がされますが、申告して総

       合課税とするか、分離課税とするか選択することができます。総合課税を選択すると、配当控除を受け

       られる場合があり、配当収入の内容・「上場株式等に係る譲渡」の損失の有無・総所得金額等を考慮

       し、有利な方を選択することになります。また、源泉徴収有の特定口座内の配当も口座ごとに申告を選

       択することができ、逆に口座内で譲渡損失と通算されている場合には申告が必要となります。

   大口(発行済株式の 3%以上)配当以外の国内上場株式等の配当は源泉徴収で終わらせることが

       ます。

 (2) 上場株式等以外の配当

    上場株式等以外の配当は総合課税でのみ申告します。該当すれば配当控除が受けられます。 

    内国法人からの、半年で 5万円以下の金額の配当は、国税のみの 20.42%の源泉徴収で終わらせるこ

       とができます。

3 利子

  「上場株式等の配当等」に含まれる利子と、含まれない利子とがあります。

 (1) 「上場株式等の配当等」に含まれる利子

   イ 「特定公社債」の利子

     上場公社債、国外発行の上場公社債、国債、地方債、外国又はその地方公共団体が発行・保証す

             る債券の利子。

   ロ 公募公社債投資信託の収益分配(国外発行のものを含みます)。

   (個々の商品について、取扱い金融機関で説明がされます。)

 

        国内の金融機関を通して得られる「上場株式等の配当等」に含まれる利子は、国税 15.315%、住民税

   5%の源泉徴収がされますが、「上場株式等に係る譲渡」の損失と通算ができます(特定口座内で通算

  可能)。申告する際には分離課税のみとなり、総合課税を選択することはできません。

 (2) 「上場株式等の配当等」に含まれない利子

     イ 「一般利子等」

     国内で支払いを受ける一般の利子であり、国税 15.315%、住民税 5%の源泉分離課税のみの扱い

             になっいます。

   ロ 「国外一般公社債等の利子等」

     国外で発行された公社債又は公社債投資信託の受益権の利子又は収益の分配による利子等で、

             「上場株式の配当等」に含まれないものを言い、国内の「支払の取扱い者」(一般に国内の金融機

              関)を通じて交付を受ける場合には、「一般利子等」と同様に源泉徴収が行われます。ただし、

    「国外一般公社債等の利子等」の場合、外国税額があればその額を加算した額に税率を乗じ、その 

    金額から外国税額を控除した額を国内の税額として徴収することとされています(差額徴収と言

              れます)。この場合には外国税額控除はできません。

   ハ その他の利子

     国外預金の利子を国外から直接受領した場合や、同族会社の社債の利息等、法令で特別に分離課

             税等の規定が置かれていない利子は、所得税法上の原則である総合課税で申告します。

 有価証券譲渡・利子・配当の申告は複雑ですので、ご自分で租税特別措置法等の法規を確認して扱いに誤

 りがないようご注意下さい当方に申告をご依頼なさるのでしたら、基準報酬を 3万円とし、内容により増

 減の報酬にて承ります。他に事業・不動産所得等のある場合もご相談に応じます。

                                         2020.11.13 yxiaolin117@gmail.com 090-6075-2437  税理士 小林禧継

 

                

 

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